■ニューズレター読者特典
「未来をつくる変わり者の哲学」(無料記事)
ケヴィン・ケリーさん(『WIRED』創刊編集長/思想家/作家)×早川洋平特別対談
https://tinyurl.com/2dfwh4p5
■EVENT|LIFE UPDATE LOUNGE
ふだんの役割を脱いで、感性と創造性をひらく夜の対話会──
「LIFE UPDATE LOUNGE」を横浜・みなとみらいで開催します。
今回のテーマは──
「今、やめたいこと or 手放したいものは何ですか?」
どこかでずっと気になっていたけれど、まだ言葉にしていないこと、ありませんか?
答えを出す必要も、うまく話す必要もありません。
僕がナビゲートしながら、ゆったりおしゃべりするように進めていきます。
会場は、僕の“創造と休息の秘密基地”
みなとみらいの〈BUKATSUDO〉。
当日は、参加者の中から1名限定で公開インタビューも実施予定です。
まだ言葉になっていない想いや可能性を、引き出す時間をお届けします。
初めての方も、おひとり参加も大歓迎です。
【日時】2025年8月29日(金)18:30〜20:30
【会場】BUKATSUDO(横浜・みなとみらい)
【ナビゲーター】早川洋平
【参加費】
・通常参加:3,000円
・『会う力』ご持参の方:1,000円(感謝割/当日提示)
・公開インタビュー枠(1名限定):5,000円
※少人数制のため、お早めにどうぞ。
「LIFE UPDATE LOUNGE」
▶詳細・お申込みはこちら
https://lu-lounge10.peatix.com/
人生を、もう少し軽く。もう少し楽しく。
はじめましての方も、お久しぶりの方も、お目にかかれるのを楽しみにしています。
■ESSAY
戦争体験者・遠藤隆視さん(91歳/東京都在住)
焼け跡から声を拾う──戦後80年。再び「記憶」と向き合う
「大変ですね」と、よく言われる。
戦争体験者の方の話を聴くことは、どこか重く、暗く、つらい仕事のように思われるのかもしれない。けれど、ぼく自身は一度たりとも「大変」と感じたことがない。
むしろ、こうして耳を傾けるたびに──体験者の方々から、生き抜いてきた人間の強さや、底知れぬ生命力、そして未来を生きる希望までいただいている。
「戦争の記憶」というプロジェクトを始めたのは、2013年。
当時、広島に暮らしていたぼくは、「原爆投下の地」に住む者として、そして人の話を聴くことを仕事にしている者として、いつかこのテーマと向き合わなければならない──そんな思いが心の奥にずっとあった。
ただ、重すぎて踏み出せなかった。
そんなとき、複数の方から同じように言われた。
「あなたに、戦争体験者の話を聴いてほしい。音声なら、50年後も100年後も残るから」
それをきっかけに始まったこのプロジェクトは、今年で12年目になる。
いまも手弁当で、毎年少しずつ、全国各地の戦争体験者を訪ねている。
本当に細々と、けれど決して止めずに。
声を“記録する”のではなく、“触れられるかたちで置いておく”こと。
ナレーションも編集も入れない。
語られるままに、息づかいや沈黙までも、そのまま残す。
それが、このプロジェクトの核だ。
そんな「記憶」と向き合う背中を、今年あらためて押してくれた出来事があった。
東京都写真美術館で開催中の「被爆80年企画展 ヒロシマ1945」展(8/17まで)。
教えてくれたのは、古巣・中国新聞の元上司だった。
ここ最近、忙しさにかまけて戦争体験者の方のインタビューができていなかった自分にとって、それはまさに火が灯るような時間だった。
展示室に足を踏み入れた瞬間から、静かな衝撃が続いた。
焼け野原に立つ少女。
火傷した子どもたち。
そして、原爆投下から数日後の広島を撮影した映像。
驚いたのは、市電がもう動いていたことだった。
投下から、たった1日か2日後。
焦土の中を、あの電車は走っていた。
人は、どこまで立ち上がれるのか。
絶望の中でも「動こうとする力」が確かにあった。
そして、声もまた、動き出そうとする力なのだと思った。
翌々日、91歳の遠藤隆視さんにお話をうかがった。
東京・原宿に生まれ育ち、戦中は静岡、さらに青森へと疎開を経験された方だ。
「小学校4年から6年までが一番、戦争の“音”と“匂い”を覚えているんだよ」
そう語る遠藤さんは、B29の爆撃機が空を覆うなか、
畑の泥に身を沈め、命を守った記憶を語ってくれた。
静岡では霜焼けで足が腫れ、病院まで山道を背負われて通ったこと。
青森では爆撃を受け、「怖い」よりも「危ない」と身体が先に感じたこと。
終戦を迎えたとき、玉音放送の意味はよくわからなかったけれど──
「これで家に帰れるのか」と思ったという。
「でも、うちがあるのかは、わからなかった」
そして実際、原宿の家は焼けていた。
「どこに寝るんだろう?」──まず思ったのは、そういうことだったという。
その言葉を聞いたとき、写真展で見た「焼けた市電」の映像が重なった。
あのとき、誰かも同じように思っていたのだろう。
「うちはあるのか」「どこに眠れるのか」
焼け跡を揺れる電車の窓から、街を探していたのかもしれない。
インタビューの最後、遠藤さんはこう言った。
「戦争はつらかったけど、勉強になったよ。
人の話をちゃんと聞かなきゃいけないって、あのとき初めて思ったんだ」
それを聞いて、ぼくはただ深くうなずいた。
聴くことの意味──
いま、ぼくが最も大切にしている感覚が、遠藤さんの中には戦争を通じて宿っていた。
この国では、毎年8月になると「平和の尊さ」が語られる。
でも、8月「16日」にはまた、日常が始まる。
それでも、ぼくは思う。
記憶を遺すことは、未来に責任を持つことだ。
けれど本当は、記憶を“受け取ること”の方が、もっと難しい。
人は、自分の目で見て、自分の耳で聴いて、そして初めて考える。
そのプロセスなしに、「平和」はどこにも根づかない。
「戦争の記憶」は、思想を主張する番組じゃない。
それに、右とか左とか、どっちが正しいかなんて、そんなに単純じゃない。大切なのは、一人ひとりが「あの時代」を生きた声に触れ、自分の感性で何を感じるか。そして、それをきっかけに「これからをどう生きるか」を考えることだと思っている。
ぼくにできるのは、そのきっかけをそっと渡すことだけ。
でも、それができるなら、このプロジェクトを続けていく意味があると信じている。
▼遠藤隆視さん(91)のインタビューは、2025年8月に公開予定です。
戦争の記憶|Memories of War
■BOOK
『会う力』(新潮社)
時代や環境に振り回されず、自分らしく生きる。
そのために大切なのは、「オーダーメイドの自分」をつくることかもしれません。
「会う力」とは、人間関係、お金、健康──人生のあらゆる場面で必要な知恵や能力を、一生涯アップデートしていく力のことです。
だれでも、いつからでも身につけられます。
人生をもっと自由にデザインするために。
この本が最初の一歩になればうれしいです。
https://yohei-hayakawa.com/auchikara.html
■SCHOOL
「会う力」養成講座
書籍が“理論編”なら、こちらは“実践編”。
目の前の景色を変える力は、誰かに会うことで得られることがある。
「これぞ」と思う相手に、勇気を出して会いに行く──その一歩が、人生の地図を書き直すきっかけになる。
半年間で「会う力」を体得するプログラム。
今の自分のままで、もう一度、自由に人生を描き直すために。
僕自身が20年かけて培ってきた「会いに行く技術とマインド」のすべてを込めました。
https://rebrand.ly/auchikara
■REGULAR CONTENTS
・人生を更新するインタビューマガジン
『LIFE UPDATE』YouTube │ Podcast
・石田衣良『大人の放課後ラジオ』|Podcast / YouTube
・本田健×早川洋平『人生を動かす15分の対話』Podcast
・すぽきゃすTV(健康エンタメ)|Podcast / YouTube
・北川八郎『人生を変える出会い』|Podcast / YouTube
■PRODUCTS
オーディオプログラム
『瞑想の基本と実践』|詳細
『才能がもたらす平和感』|詳細
■MESSAGE
いま、静かに「悪活」中です。
(※なんのこと?という方はこちら)
きっかけは、『大人の放課後ラジオ』で収録予定のテーマ──「夏休みに観たい・読みたいエンタメ」。
このワードに背中を押されて、自分の棚から引っ張り出したのは、またしても“あっち側”の作品たちでした。
たとえば、英国のダガー賞を受賞した話題作『ババヤガの夜』──強くて優しい女たちが、暴力の中で自分を取り戻していく物語。
あるいは、ニコラス・ケイジが狂気の殺人鬼を演じるホラー『ロングレッグス』。
どちらもまだ鑑賞中ですが、息を呑みながらも、なぜか心が静かに整っていく感覚があります。
人はときに、そうした“暗いもの”に触れることで、日常を生きるバランスを取り戻すのかもしれません。
フィクションの中で死を体感できること。
そして、また日常に戻ってこれること。
それはきっと、あたりまえじゃない。
そう考えると、「悪活」ができるって、なんて平和でありがたい営みなんだろうと──
ちょっとだけ、真面目に思ってしまった夏の夜です。
それでは、よい週末を。
早川洋平
【略歴】はやかわ・ようへい/1980年横浜生まれ。プロインタビュアー。中国新聞記者等を経て2008年起業。羽生結弦、よしもとばなな、髙田賢三、ケヴィン・ケリーら各界のトップランナーから市井の人々まで国内外分野を超えてインタビュー。13年からは戦争体験者の肉声を発信するプロジェクト『戦争の記憶』にも取り組む。『We are Netflix Podcast@Tokyo』『横浜美術館「ラジオ美術館」』『石田衣良「大人の放課後ラジオ」』等メディアプロデュースも多数。最新刊『会う力』(新潮社)。
■PRESENT
人生を変える「人と世界」に出会う3つのレッスン(無料動画)
人付き合いが苦手な僕が、インタビューの道に踏み出して20年──
そのなかで見出した「人生を変える出会いの技術」を、3つのレッスンにまとめました。特別な準備や人脈は不要。
今いる場所から、静かに、でも確実に未来を動かすためのヒントをお届けします。https://yohei-hayakawa.com/flap
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